ヒッコリーゴルフ:究極のヒップスター(流行最先端をいく)スポーツ?

By トム・スウィートマン (CNN)

(CNN)ー多くのプロゴルファーが目を見張るような最新のゴルフ用品を使う一方で、スコットランドのとある片田舎ではとても風変わりなトーナメントが行われている。ー プレーヤーたちがアンティークを愉快にスイングしているトーナメントである。

実際に、ワールドヒッコリーオープンチャンピオンシップを目にした人が100年前にタイムスリップしたと思い込んでも無理はないだろう。

それは古風なゴルフ用品なだけではなく(19世紀後半から20世紀初期の木製シャフトのクラブ)衣装もまたその当時のファッションなのだ:プレーヤーたちはこの表情豊かな風景の中を、男性はプラスフォーに平べったい帽子をかぶり、女性はロングスカートを身にまといゆっくりと歩いている。

それは彼らがまるで無意識のうちにスポーツ界の流行の先端を行く人になったかのようである。

『この何年かでヒッコリーゴルフの寿命は伸びたようです。なぜなら、この言葉はあまり好きではないのですが、いささかレトロっぽいではないですか。』ワールドヒッコリーオープンの創設者の1人で理事のライオネル・フリードマンはCNNにこう語る。

『ある意味、非近代的と言ってもよいと思います。』

ここ10年フリードマンは、ヒッコリーゴルフの人気上昇における役割を担ってきた。それはスコットランド東海岸にあるパンミュアゴルフクラブで開催されるトーナメントの創案である。

The British Golf Collectors’ Societyへの加盟にあたり(アメリカ版がその17年前に創設されたのち、1987年に設立された。)フリードマンは、アンティーククラブを試してみたいと思うメンバーたちが始めたヒッコリーイベントの数の多さに気が付いたのだ。

この活動を大衆に推進したいと熱望するフリードマンは、誰でも参加でる彼自身のオープン選手権を始める決意をした。そして初のワールドヒッコリーオープンは2005年スコットランド マッセルバラのオールドゴルフコースにて実現した。オールドコースは世界で最も古いコースとして認められており、最古のコースとして未だにプレーされているコースでもある。

『私はこれを生意気にもワールドヒッコリーオープンと呼びました。実のところちょっとしたジョークだったんです。』

『初めてのトーナメントを開催しました。36人がプレーし、36セットのクラブを配布しなければいけませんでしたが、みなさんとても楽しんでいただけたようでこれからも続けると言ったんです。』

そして彼は約束通り毎年トーナメントを開催し、フリードマンの新構想は広がりを見せていった。毎年スコットランドの最も名門コースと言われるいくつかのゴルフクラブを順番に回り、世界の主要なヒッコリートーナメントの1つとなっていく。

来年、トーナメントはカーヌスティ・ゴルフリンクスで開催され、現全英オープンコースでプレーされる初めてのモダンヒッコリートーナメントとなる予定だ。

フリードマンは、元プロゴルファーを含む100人以上の競技者の90%は、自身のアンティーククラブをフル装備で持参すると推定する。

『ここ何年かでトーナメントは発展し、今や本当のワールドヒッコリーオープンとなりました。』『今年の私のトーナメントには、アメリカ人、スウェーデン人、ドイツ人、スイス人、南アフリカ人、オーストラリア人、イギリス人、そしてスコットランド人が参加します。』とフリードマンは語る。

最新の技術の進歩でチューンアップされたクラブがいとも簡単に手に入るのに、彼らは木から作られた珍しいクラブを追い求める。世界中のこれらのゴルファーを魅了するものは一体何なのだろうか?

それは、最古のゴルフコースでプレーするチャンスである。今日の基準によると、これらのコースは多くの場合短すぎ、時代遅れである。

1930年代またはそれ以前のコースの多くは、ローリー・マキロイやタイガー・ウッズが毎週毎週プレーしているコースに比べると1,000ヤード程短い。そのためヒッコリーゴルファーにとって古いクラブだけでなく、古いタイプのボールでプレーするのはある種の挑戦である。

『モダンゴルフコースはこれ以上長くできないと思いますよ、話になりません。』とフリードマンは言う。

『古くからの素晴らしいコースは、グリーンから次のティーまでまっすぐ歩けば良い。モダンゴルフコースの場合、次のティーまで50−100ヤードは歩かなければいけないでしょう。巨大な敷地が必要になるし、コースを回るのに時間もかなりかかります。』

パンミュアでタイトルを守るパオロ・クイリッチによると、これこそ真のゴルフだそうだ。

『モダンゲームでは距離が全てなんだ。そしてパッティングはゲームの中のゲームなんだよ。』と1989年から2001年までヨローピアンツアーでプレーした46歳のスイス人ゴルファーは言う。

『昔はプレーヤの技術がもっと重視されていたのに対し、今はクラブがどんどん改良されて、バッドショットを打っても見逃されることが多いと思う。』

フリードマンにとって、より技術的で挑戦的なスイングに繋がるスリルはヒッコリーゴルフの真の本質だという。

『モダンクラブはもっと寛大ですからね。モダンクラブは、しっかりコネクトできてなくても結果を出すことができます。あたかもズルをしているみたいです。これがヒッコリーだと結果はでません。』

『私がヒッコリーゴルフに情熱を感じる理由は、良いショットを打った時にそれを感じることができるからです。クラブフェースのスイートスポットに当たるまで、良いショットを打ったかどうか知る術がないんです。』

現代の真正版クラブを製作する会社はだんだん減ってきており、セントアンドリュースゴルフカンパニーはその1つなのだが、ある収集家たちはゴルフコースに彼らの収集したアンティーククラブをサンプルとして貸し出すより、壁に掛けておくことを常に好むのだ。

しかしながら、ヒッコリーゴルフの推進活動における悩みの1つは、時が経つにつれ、アンティーククラブを見つけるのが当然難しくなってくることだ。

British Golf Collectors’ Societyによって開催されるものも含み、いくつかのトーナメントでは1935年以前のクラブ(レプリカ不可)を使用しなければいけないと記載されている。

『願いがあるとすれば、クラブを収集している人たちが少しでもクラブを売りに出してくれると、もっと多くの人々がヒッコリーゴルフを試してみることができるようになるんです。昔のクラブでプレーできればもっと楽しめるのに。』とクイリッチは言う。

『ここ数年掛けて、クラブを10セット程修復しているんです。修復が済むとヒッコリーゴルフを始めてみたい友人たちに売っています。家に保管しておくのは好きではないので。ヒッコリーゴルフ推進活動を常に行っていたいんです。』

フリードマンはヒッコリーゴルフがこの先も新しいプレーヤーの波を魅了し続けることを確信している。

『ヒッコリーゴルフが成長し続けることに全く疑いはないです。』と彼は言う。

『150周年を記念して、ワールドヒッコリーオープン2017を開催するのかって今から聞かれていますが、間違いなく順風満帆ですね。』